1897年11月に録音された音楽

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1897年11月に録音された音楽

1897年11月は、植民地支配と自治をめぐる動きが各地で目立ちました。フィリピン革命(Philippine Revolution)ではビアク=ナ=バト共和国(Republic of Biak-na-Bato)の成立と暫定憲法の作成が伝えられますが、日付は資料により異なります。カリブ海ではスペイン王国(Kingdom of Spain)がプエルトリコ自治憲章(Carta Autonómica de Puerto Rico)を付与し、自治政府の枠組みが定められました。都市政治ではニューヨーク市長選挙(1897 New York City mayoral election)が行われ、翌年のグレーター・ニューヨーク市(City of Greater New York)発足に備える形となりました。法制度では貴族院(House of Lords)がサロモン対サロモン社事件(Salomon v A Salomon & Co Ltd)で会社の独立した法人格を強く確認しました。文化面ではパリのオペラ=コミック座(Opéra-Comique)でオペラ『サッフォー』(Sapho)が初演されました。月末にはイングランド(England)周辺で強い風の被害が報告され、沿岸部の交通や海上活動に影響が出ました。

この月の確認されている録音:0曲

1897年11月の録音に関する情報のまとめ

1897年11月に限定して、個々の録音(収録)日や発売日を網羅的に示す一次資料は、現時点の参照範囲では確認できませんでした。一方で、当月に日付が付く刊行物、業界誌記事、特許文献が確認でき、円筒式・円盤式の双方で機器改良と興行(公開実演)を伴う普及が並行して進んでいた様子がうかがえます。

ナショナル・フォノグラフ・カンパニーの刊行物(1897年11月1日)

トーマス・A・エジソン・ペーパーズ・デジタル版(The Thomas A. Edison Papers Digital Edition)では、ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)名義の刊行物が1897年11月1日付で登録されています。フォルダー説明では、蓄音機の部品や付属品に関する文書(価格表等)を含む資料群として整理されており、当時の録音再生機器を支える供給・流通の実態を追う手掛かりになります。

ザ・フォノスコープ(1897年11月–12月号)に見る公開実演と「レコード製作」

ザ・フォノスコープ(The Phonoscope)の1897年11月–12月号には、ナショナル・グラモフォン・カンパニー(National Gramophone Company)がニューヨーク市(New York City)のチッカリング・ホール(Chickering Hall)で、グラモフォン・レコード(Gramophone record)製作工程を公開実演した旨の記述があります。録音が「工場内の工程」にとどまらず、観客を前にした実演・娯楽として提示されていた点が確認できます。

グラフォフォン関連の特許出願(1897年11月)と機器改良の焦点

アメリカ合衆国(United States)の特許文献では、1897年11月22日にグラフォフォン・リプロデューサー(Graphophone-reproducer)とグラフォフォン(Graphophone)の出願が行われ、スタイラス(Stylus)や振動板(Diaphragm)の支持、送り機構・キャリッジ等の具体的構成が説明されています。さらに別の特許文献では、横振動(lateral undulations)を溝に刻む録音方式が論じられており、1890年代末の機械式録音が「刻む/読む」部分の改良に強く依存していたことが確認できます(ただし当該文献自体の成立年は1897年ではありません)。