1896年2月に録音された音楽

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1896年2月に録音された音楽

1896年2月は、芸術と新技術が同時に前へ進んだ月でした。2月1日、ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini, 1858–1924)のオペラ「ラ・ボエーム(La bohème)」がトリノで初演されました。2月3日、ダートマス大学(Dartmouth College)でX線を用いた診断撮影が行われ、医療現場に新しい「見える化」が持ち込まれました。2月11日、オスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854–1900)の戯曲「サロメ(Salomé)」がパリで初めて舞台上演されました。2月14日、テオドール・ヘルツル(Theodor Herzl, 1860–1904)の『ユダヤ人国家(Der Judenstaat)』が刊行され、近代政治思想の議論を刺激しました。2月19日には南アフリカのヨハネスブルグでブラームフォンテーン爆発事故が発生し、産業都市の脆弱さが露呈しました。2月20日、ルイ・リュミエール(Louis Lumière, 1864–1948)らのシネマトグラフがロンドンで公開され、近代メディアの体験が拡張していきます。

この月の確認されている録音:0曲

1896年2月の録音に関する情報のまとめ

1896年2月の「録音」そのもの(特定の蝋管・円盤の録音日や録音リスト)を月単位で裏づけできる一次情報は、現時点では確認できていません。一方で、同時期に進んだメディア技術の動きとして、シリンダー事業の再編(法人設立)と、ロンドンでのシネマトグラフ公開(上映文化の拡大)は、のちの音楽流通や録音物の受容環境に関わる周辺史として位置づけられます。

ナショナル・フォノグラフ・カンパニーの法人設立

トーマス・アルバ・エジソン(Thomas Alva Edison, 1847–1931)に関わるシリンダー事業は、ニュージャージー州でナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)が1896年1月27日に法人化したことが確認できます。2月時点の具体的な新録音・出荷リストは本件資料上まだ確認できませんが、少なくともこの法人設立が1896年前後の商業シリンダー展開の節目になります。

ロンドンでのシネマトグラフ公開

1896年2月20日、ロンドンでシネマトグラフの公開上映が行われたことが確認できます。これは映画上映の一般化を早め、のちに劇場・興行空間での音楽利用(生演奏や音楽プログラム)と結びついていく前提条件の一つになります(当日の音付け方法の詳細は未確認です)。