1924年9月に録音された音楽

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1924年9月に録音された音楽

1924年9月は、国際政治・社会・技術の各面で大きな転換が重なった月でした。9月1日にはドーズ案(Dawes Plan)の運用が始まり、ドイツ賠償問題と欧州金融秩序の再建が新しい段階に入りました。ハワイ準州(Territory of Hawaii)のカウアイ島ハナペペでは9月9日に砂糖労働争議が流血化し、移民労働史に残る事件となりました。チリではアルトゥーロ・アレッサンドリ・パルマ(Arturo Alessandri Palma, 1868–1950)が9月15日に亡命し、政治危機が深まりました。9月20日にはサー・ジョン・ヒューバート・マーシャル(Sir John Hubert Marshall, 1876–1958)がインダス文明の発見を公表し、南アジア古代史の理解を大きく塗り替えました。さらに9月26日には国際連盟総会(League of Nations Assembly)が児童の権利に関するジュネーブ宣言(Geneva Declaration of the Rights of the Child)を採択し、9月28日にはアメリカ陸軍航空隊(United States Army Air Service)が世界一周飛行を完了しました。

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1924年9月の録音に関する情報のまとめ

1924年9月の録音関連動向を見ると、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)では西海岸録音の発売段階が進み、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company, Inc.)では旧来音楽と地方系統の録音が継続していました。ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)は機器販売と通常録音を並行し、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)は地方歌手の録音を続けていました。トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では通常録音業務の継続が見え、スター・ピアノ社(Starr Piano Company)のジェネット・レコード(Gennett Records)では中西部ジャズ録音の蓄積が続いていました。

ヴィクター

ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)では、1924年9月に入っても新規録音と発売が継続していました。とくにVictor19379は、同社の西海岸録音を発売物として示す初期の代表例として扱われており、9月の段階でロサンゼルス録音を市場へ結びつける流れが具体化していたことが分かります。

コロムビア

コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company, Inc.)では、9月11日にライリー・パケット(Riley Puckett, 1894–1946)の「Blue Ridge Mountain Blues」、9月12日にギド・タナー・アンド・ライリー・パケット(Gid Tanner and Riley Puckett)の「John Henry」などが録音されました。1924年9月の同社は、地方系統を含む旧来音楽の継続録音を進めていた月として位置づけられます。

ブランズウィック

ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)では、9月号の業界誌でブランズウィック・ラジオーラ(Brunswick Radiola)の販促が確認でき、ラジオと蓄音機を結びつけた商品の展開を強めていました。録音面でも、9月9日にエイブ・ライマンズ・カリフォルニア・オーケストラ(Abe Lyman’s California Orchestra)の原盤が確認でき、機器販売と通常録音が同月に並行して進められていました。

オーケー

ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)では、9月4日にアーネスト・V・ストーンマン(Ernest V. Stoneman, 1893–1968)の「The Face That Never Returned」と「The Titanic」が録音されました。1924年9月の同社は、地方歌手による通俗歌・民俗歌系統の録音を継続していた月として見ることができます。

エジソン

トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では、9月3日にナサン・グランツ・オーケストラ(Nathan Glantz Orchestra)の「June Night」が、9月上旬にはインペリアル・マリンバ・バンド(Imperial Marimba Band)などの録音も確認できます。1924年9月の同社は、大きな制度変更よりも、既存の通常録音業務を着実に続けていた月でした。

ジェネット

スター・ピアノ社(Starr Piano Company)のジェネット・レコード(Gennett Records)では、9月18日にウルヴァリン・オーケストラ(Wolverine Orchestra)の「Sensation」と「Lazy Daddy」が録音されました。1924年9月の同社は、中西部ジャズ録音の重要拠点としての役割を引き続き果たしていたことが分かります。