1898年9月に録音された音楽
1898年9月、アフリカではスーダンのオムドゥルマンで戦闘が起き、イギリス・エジプト側がマフディー国家側を破って軍事的主導権を固めました。同月、白ナイル川のファショダではフランス側部隊の駐屯地にイギリス側艦隊が到着し、両国の緊張が外交危機として表面化しました。ヨーロッパでは、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリーザベト(Elisabeth of Austria, 1837–1898)がジュネーヴで暗殺され、無政府主義運動への警戒が各地で強まりました。東アジアでは、清朝で改革が政変によって挫折し、近代化政策が急ブレーキを踏むことになります。科学の側では、ウィリアム・ラムゼー(William Ramsay, 1852–1916)が1898年9月に希ガスの新発見を公表したことを回顧しており、元素研究の進展が20世紀の産業・文化へ連なっていく節目でもありました。
この月の確認されている録音:0曲
1898年9月の録音に関する情報のまとめ
1898年9月は、家庭向けフォノグラフの販売拡大と結びついて、商業録音(主としてワックス円筒)を「家庭で買って聴く」市場がいっそう厚みを増していた時期として位置づけられます。一次資料としては、1898年9月付の業界誌ザ・フォノスコープ(The Phonoscope)で当時の事業・流通面の動きを同月の紙面から追えるほか、カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館(University of California, Santa Barbara Library)の円筒アーカイブで1890年代末の円筒録音を個別に確認できます。一方で、1898年9月に限定して「録音日(年月日)」を体系的に確定できる一次資料が、この月ページ用に直接参照できる形でまとまっている例は現時点で確認できません。
アメリカ合衆国での家庭用フォノグラフ普及と「円筒録音」中心の市場
1898年9月の雑誌広告として「エジソン・ニュー・スタンダード・フォノグラフ」が確認でき、家庭用機の販売拡大が進んでいた状況がうかがえます。当時の商業録音は引き続き円筒(ワックス・シリンダー)媒体が中心で、家庭用機の普及はそのまま円筒レコード需要の拡大と結びつきました。
