1894年11月に録音された音楽
1894年11月は、帝国の継承と戦争の進行、そして新しい技術と国際関係の動きが同時に進んだ月でした。ロシア帝国ではアレクサンドル3世(Alexander III, 1845–1894)が1894年11月1日に死去し、ニコライ2世(Nicholas II, 1868–1918)が皇帝として即位しました。東アジアでは日清戦争が続き、1894年11月11日の連山関の陥落や、1894年11月21日の旅順口の戦いなど、遼東半島方面の戦況が大きく動きました。オーストラリアではローレンス・ハーグレイヴ(Lawrence Hargrave, 1850–1915)が1894年11月12日に箱凧(ボックスカイト)を連結して自ら浮揚する実験を行い、航空技術史の節目となりました。米国ではウィリアム・C・フッカー(William C. Hooker, 生没年不明)が1894年11月6日にばね式トラップの特許を取得し、日常器具の工業化も進みます。外交面では、アメリカ合衆国と大日本帝国の間で通商航海条約(Treaty of Commerce and Navigation between the United States of America and the Empire of Japan)が1894年11月22日にワシントンで調印され、太平洋をまたぐ制度整備が積み上げられました。
この月の確認されている録音:0曲
1894年11月の録音に関する情報のまとめ
1894年11月の録音史では、円筒(シリンダー)中心だった市場に対し、平面円盤(ディスク)という別方式が「商品としての録音媒体」として存在感を強め始めたことが確認できます。一方で、特定の円筒録音や各社の録音セッションを「1894年11月」と月単位で確定できる一次資料は、公開情報ベースでは限られます。
フラットディスクレコードの市販リスト公表と「フォーマット戦争」の起点
1894年11月に、ベルリナー・グラモフォン(Berliner Gramophone)のレコード販売リストが公表されたことが、アメリカ議会図書館(Library of Congress)の年表で示されています。円筒レコードと平面円盤レコードが併存し、再生方式や流通の主導権をめぐる競争が長期化していく「最初のフォーマット戦争」の起点として位置づけられます。
「After the Ball」のベルリナー盤録音(1894年11月1日とする記載)
エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851–1929)に関する人物記事(Encyclopedia of World Biography所収)には、1894年11月1日に「After the Ball」がベルリナー盤で録音されたという記載があります。
