1897年12月に録音された音楽

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1897年12月に録音された音楽

1897年12月、オスマン帝国とギリシャ王国はコンスタンティノープル条約(Treaty of Constantinople)を結び、1897年の希土戦争の終結が制度化されました。日本では不平等条約改正の流れの中で、日本国とオーストリア=ハンガリー帝国の通商航海条約が12月5日に改正されました。12月12日には北海道で亀函馬車鉄道の弁天町–東川町間が開通し、都市交通の近代化が進みました。医学では志賀潔(1871–1957)が赤痢菌研究の報告を12月25日付で公表し、細菌学の進展が示されました。パリでは戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』が12月28日に初演され、舞台芸術の話題を集めました。フィリピンでは同月、ビアクナバト協定が公表され、革命勢力の一時停戦と亡命が取り決められました。中国東北では同月、ロシア帝国が旅順・大連に進出し、列強の緊張が高まりました。

この月の確認されている録音:0曲

1897年12月の録音に関する情報のまとめ

1897年12月の個別録音について、公開データベースでは「1897年」と年次のみ付与される例が多く、12月と月まで確定できる個別録音は資料上確認できずが残ります。したがって本節では、1897年末時点の円筒録音(シリンダー)と円盤録音(ディスク)に関して、年次が確定している所蔵情報と、当時の商業録音を支えた技術・事業の動きをまとめます。

アレクサンドリアのシリンダー音源(1897年を含む年次付与)

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara)が公開するアレクサンドリア・デジタル・リサーチ・ライブラリー(Alexandria Digital Research Library)のシリンダー・オーディオ・アーカイブ(Cylinder Audio Archive)では、発行年(Issued Date)が1897年(または1897年を含む範囲)として検索できる音源がまとまって確認できます。内容は独唱・器楽・バンド曲などにまたがり、1897年末時点で流通していた(または同時期に作成された)円筒音源の輪郭を、年次レベルで俯瞰できます。

ベルリナー系ディスク録音を支えた技術と事業(1897年末の状況)

円盤録音の側では、エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851–1929)が進めたグラモフォン録音とレコード製造が、1890年代後半の商業展開を形づくりました。さらに、エルドリッジ・R・ジョンソン(Eldridge R. Johnson, 1867–1945)らの改良を含む機械要素の発達が、量産・流通の現実性を押し上げ、1897年末には「ディスクを売る」産業の土台が固まりつつあったことが概説資料から確認できます。

ベルリナーの経歴から見る録音産業化の流れ(1897年前後)

エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851–1929)の事業史を扱う概説では、発明だけでなく会社設立・販路形成・競争関係など、録音産業が「技術」から「商品」へ移る過程が整理されています。1897年12月の個別セッションを特定できない場合でも、1897年前後を射程に、どの地域・どの企業がどの方式で商業録音を拡大していったかを把握する基礎資料として利用できます。