1918年1月に録音された音楽

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1918年1月に録音された音楽

1918年1月は、第一次世界大戦(World War I)の長期化のなかで、戦後秩序の構想と各国の統治再編が同時に進んだ月でした。イギリスでは1月2日にイギリス航空省(Air Ministry)が発足し、翌3日に航空会議(Air Council)が組織されて、航空戦力の統合運営が進みました。アメリカ合衆国では1月1日からアメリカ合衆国鉄道管理局(United States Railroad Administration)による鉄道の連邦管理が実施され、1月8日にはウッドロウ・ウィルソン(Woodrow Wilson, 1856–1924)が十四か条(Fourteen Points)を公表しました。さらに1月9日に同人が女性参政権改正案への支持を表明し、翌10日にはアメリカ合衆国下院(United States House of Representatives)がこれを可決しました。ロシアでは1月18日に全ロシア憲法制定議会(All-Russian Constituent Assembly)が開会したものの翌日に解散され、フィンランドでは1月27日にフィンランド内戦(Finnish Civil War)が始まりました。

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1918年1月の録音に関する情報のまとめ

1918年1月の録音関連資料を同時代の録音日データと新聞広告で確認すると、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Co.)、コロンビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では当月の録音日まで確認できます。一方で、パテ・フレール・フォノグラフ社(Pathé Frères Phonograph Co.)、エオリアン社(Aeolian Company)、ブランズウィック=バルク=コーレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Company)では、当月の販促や小売展開は確認できるものの、今回確認した範囲では1月の自社録音日まで確定できる資料は限られていました。1918年1月の市場は、新譜供給の継続と家庭用再生機の販売訴求が並行して進んでいた月といえます。

ヴィクター

ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Co.)では、1918年1月4日に《Brother Jones’ sermon》、1月14日に《Just a baby’s prayer at twilight (For her daddy over there)》などのカムデン録音が確認できます。さらに1月24日付の『Indianapolis News』には「Some Popular Victor Records」の広告が載っており、同月後半には新譜が小売段階で動いていたことも確認できます。

コロンビア

コロンビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)では、1月8日に《Bring back my daddy to me》と《I hate to lose you》、1月30日に《Wisconsin forward forever》、1月31日に《Faugh-a-ballah》のニューヨーク録音が確認できます。加えて1月18日付の『Richmond Palladium』には、毎月10日と20日に新しいコロンビア盤を発売するとする広告が見え、1月中旬の販売体制も確認できます。

エジソン

トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では、1月8日に《Li’l Liza Jane》、1月29日に《On the road to home, sweet home》、1月30日–31日に《Simon the cellarer》の録音が確認できます。1月26日付の広告では「The New Month’s Edison Blue Amberol」が告知されており、同社が1月にもシリンダー新譜の流通を継続していたことが分かります。

パテ

パテ・フレール・フォノグラフ社(Pathé Frères Phonograph Co.)については、1918年1月1日と25日付の『Ligonier Banner』、1月26日付の『Jasper County Democrat』にパテ盤の小売広告が確認できます。今回確認した範囲では、1918年1月の北米での録音日を直接示す資料までは確認できませんが、少なくとも当月の小売段階では継続的に販促が行われていました。

エオリアン・ヴォカリオン

エオリアン社(Aeolian Company)では、1918年1月10日付の『Indianapolis News』と1月18日付の『The Evening World』に「Aeolian Vocalion」の広告が掲載され、価格帯、音量、他社盤再生の訴求が行われていました。今回確認できた資料では、同月の自社録音日や新譜番号までは確認できませんが、少なくとも1月の段階で販売網を通じた家庭用機の販促が続いていました。

ブランズウィック

ブランズウィック=バルク=コーレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Company)では、1月18日付の『Richmond Palladium』と1月24日付の『Indianapolis News』に、「Plays All Records Better」「All phonographs in one」といった比較訴求の広告が確認できます。さらに1月28日付の『South Bend News-Times』には兵士向けに「Brunswick」蓄音機を送る告知も見え、同月の販促と流通活動は確認できます。