Thomas Alva Edison (1847-1931)
トーマス・アルバ・エジソン(1847年2月11日 – 1931年10月18日)は、アメリカの発明家・起業家であり、生涯で約1,300もの発明を行い、「発明王」と称されました。
その中でも、1877年に発明した蓄音機は、音を記録し再生する初の装置として、音響技術の歴史に革命をもたらしました。
Louis Bachrach, Bachrach Studios, restored by Michel Vuijlsteke, Public domain, via Wikimedia Commons
エジソンと蓄音機
エジソンは、電信技術や電話機の改良に取り組む中で、音声を記録し再生する装置のアイデアを思いつきました。1877年12月6日、彼は錫箔を巻いた円筒に音の振動を刻み込むことで、音声の記録と再生に成功しました。
エジソンの初期の蓄音機は、錫箔を巻いた円筒(シリンダー)を使用していました。音声はホーン(ラッパ)を通じて振動板(ダイアフラム)に伝わり、その振動が針を介して錫箔に刻まれます。再生時には、同じ針が刻まれた溝をなぞり、振動板を再び振動させて音を再生しました。しかし、錫箔は耐久性が低く、音質も劣っていたため、改良の余地がありました。
エジソンの蓄音機は当初、性能や実用性に課題がありました。その後、アレクサンダー・グラハム・ベルらが、錫箔の代わりに蝋(ろう)を塗布した円筒を使用し、録音と再生の針を別々にするなどの改良を加え、音質の向上と実用化を進めました。これらの改良により、蓄音機は商業的にも成功し、音楽や音声の記録・再生装置として広く普及しました。
蓄音機の発明は、音楽や情報の伝達方法に革命をもたらし、エンターテインメント産業や音響技術の発展に大きく寄与しました。エジソン自身も、蓄音機の発明から晩年まで、この装置の改良と普及に情熱を注ぎ続けました。
